オープンアクセスとは

オープンアクセスとは
オープンアクセスの2つのモデル
学術論文等の即時オープンアクセス義務化について

九州大学は、開かれた大学としてその研究成果を学外に開示し、さらには活発な情報発信や人的交流、諸研究機関や産業界との連携に努めながら、学術研究の国際的拠点となることを目指す。
(九州大学学術憲章 第4条)

オープンアクセスとは

論文などの学術情報を、インターネットを介して、無料でだれもが自由に利用できるようにすることをオープンアクセスといいます。
オープンアクセスが進むことは、

  • 格差を超えて、学術情報へのアクセスの平等が推進される
  • 分野を超えた研究成果の共有と再利用が進み、さらに学際的な研究やイノベーションの創出を促進する
  • その成果が社会に還元されることで、人類社会の発展に寄与する

と、社会にとって重要であると同時に、
研究者にとっても、

  • 研究成果をより多くの人に読んでもらうことができる
  • 論文を引用される可能性が高まる
  • 研究成果の共有が進み、社会へ還元される

と、多くのメリットがあります。

オープンアクセスにすることは、大学及び研究者の社会に対する責務を果たすことであると同時に、研究者が自らの研究を守り、新たな知を生み出す源泉を主体的に確保することにつながります。
九州大学では、「九州大学オープンアクセス方針」(平成28年1月19日 教育研究評議会決定)を定め、本学の研究成果のオープンアクセスを推進しています。

 

オープンアクセスの2つのモデル

オープンアクセスを実現するには、大きく次の2つの方法があります。

ジャーナルへの投稿によるオープンアクセス:ゴールドオープンアクセス(Gold OA)

オープンアクセスジャーナル、もしくは通常の購読型ジャーナルのオープンアクセスオプションを選択することで、論文を出版すると同時にオープンアクセスにする方法。多くの場合、APC(Article Processing Charge, 論文掲載料)を著者が負担します。

 

セルフアーカイブによるオープンアクセス:グリーンオープンアクセス(Green OA)

大学等が構築・運用する機関リポジトリや、分野別リポジトリ・プレプリントサーバ上に、自身で論文を登録することにより、論文をオープンアクセスにする方法。ジャーナルに掲載された論文をリポジトリに登録する場合は、出版社の規定により、多くの場合、査読済み最終稿(著者最終稿)を登録することになります。また、出版社や雑誌によっては、著者稿の公開にあたって一定の公開禁止期間(エンバーゴ)を設けている場合もあります。

本学では、九州大学学術情報リポジトリ(QIR)を運用しています。

いま知ってほしいオープンアクセス:学術雑誌論文編 (PDF)
 

 

学術論文等の即時オープンアクセス義務化について

2024年2月16日、統合イノベーション戦略推進会議により「学術論文等の即時オープンアクセスの実現に向けた基本方針」が策定されました。この方針により、 公的資金のうち2025年度から新たに公募を行う競争的研究費(①)の受給者に対して、「学術論文及び根拠データ(②)の学術雑誌への掲載後、即時に機関リポジトリ等の情報基盤へ掲載(即時オープンアクセス)」(③)することが義務付けられます(④)。

①義務化の対象となる競争的研究費

以下の競争的研究費かつ2025年度から新たに公募が行われるものが対象となります。

日本学術振興会(JSPS) 科学研究費助成事業
科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業
日本医療研究開発機構(AMED)

戦略的創造研究推進事業
(革新的先端研究開発支援事業)

科学技術振興機構(JST) 創発的研究支援事業

※2025年度から交付されるものであっても、2024年度以前に公募されたものは対象外です。

②義務化の対象となる研究成果

【学術論文】
電子ジャーナルに掲載された査読済みの研究論文(著者最終稿を含む)。

【根拠データ】
ジャーナルの執筆要領、出版規程等において透明性や再現性確保の観点から必要とされ、公表が求められる研究データ。Supplemental Data等の公表を前提としているデータであり、査読の過程等で求められるデータ等、公表を前提としていないデータは含みません。

③オープンアクセスにする際の掲載先

原則として所属機関のリポジトリ(九州大学学術情報リポジトリ QIR)で研究成果を公開することとされています。
参考情報:QIR(九州大学学術情報リポジトリ)への登録・公開

ほか、条件付きで以下のような方法でも公開することができます。
・分野別リポジトリやJxivやJSTが開発するリポジトリ(ただし、CiNii Research上で検索可能なものに限る。)
・学術出版社等の電子ジャーナル(ゴールドオープンアクセス。参考情報:APCの支援情報

いずれの方法においても、学術雑誌等への掲載後、公開禁止期間(エンバーゴ)なく公開することが求められます。

④実施状況の報告

  • 著者は、助成機関への毎年度の実績報告時に、個々の学術論文および根拠データごとにオープンアクセスの実施状況を報告する必要があります。
  • 即時オープンアクセスの実施が困難な場合、実績報告の際にその理由を報告することが義務付けられます。
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