用語集

【オープンアクセス用語集】

用語
英語
意味
arXiv (アーカイブ)  

arXiv

 
 

アメリカのコーネル大学が運営している物理学分野等のプレプリントサーバで、物理学、数学、計算機科学、量的生物学、Quantitative Finance、統計学のプレプリントを含む様々な論文が保存・公開されている。本学でも図書館がarXivの運営費を拠出して協力している。
参考: https://arxiv.org/

 
移管  

transfer

 
 

雑誌の出版社間の版権移動のこと。学会から商業出版社に移動したり、商業出版社間を移動したりと、様々なケースがある。これによって提供プラットフォームが変わるだけでなく、提供される刊行年の範囲が変わったり、価格が急騰したりするなどの問題が生じることもある。

 
APC (エーピーシー)  

APC / Article Processing Charge

 
 

論文の著者が自身の論文をオープンアクセスにするため、出版社等に支払う費用のこと。論文処理費用、論文掲載料、論文出版加工料などと訳される。
参考:https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/services/open/gold/apc

 
エンバーゴ  

embargo

 
 

ジャーナルが刊行されてから、掲載論文の全文がリポジトリ等で利用可能になるまでの一定の期間のこと。

 
ORCID  iD (オーキッド アイディー)  

ORCID iD / Open Researcher and Contributor ID

 
 

研究者および貢献者の永続的かつ一意なデジタルの研究者識別子で、研究者一人一人に割り振られる。研究者の名寄せは同姓同名、改姓、表記の不統一、異動等のため困難なことがあるが、ORCID iDを氏名情報の代用として用いることが出来る。研究者は、これを用いて略歴、研究業績、助成金獲得等の実績を開示できる。書式は"https://orcid.org/" で始まり、続く16桁の数字を4桁ごとにハイフンで区切った構造である。
参考:https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/services/open/pid/orcid

 
オープンアクセス / OA  

Open Access / OA

 
 

論文などの学術情報のフルテキストを、インターネットを介して、無料でだれもが障壁なく自由に利用できるようにすること。OAの実現手段としては、グリーンOAゴールドOAブロンズOAダイヤモンドOAなどがある。
参考:https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/services/open/top

機関リポジトリ / 学術機関リポジトリ  

Institutional Repository

 
 

大学や研究機関等の各機関において、研究、教育等の成果情報を収集、電子的に蓄積、保存し、原則的に無償で永続的かつ安定的に利用に供することを目的としたインターネット上のデータベースのこと。機関リポジトリを構築・運用することによって機関の成果情報の長期的な保存や効果的な発信、機関の認知度の向上、社会への貢献などが期待されている。

 
グリーンOA (グリーン・オーエー)  

Green OA

 
 著者自らが、論文(主に著者最終稿)を機関や分野別リポジトリにアーカイブし、一般公開するもの。出版社の方針により、一定のエンバーゴ期間が設けられることがある。  
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス / CCライセンス  

Creative Commons license

 
 

著作物の利用者に対して、どういった利用ならば著作者の許可なしに行えるのか、という利用条件を示すための世界共通のライセンス。 全部で6種類のライセンスが用意されており、学術雑誌論文については、CC BY(著作者を表示すれば自由に利用可能)や、CC BY-NC(著作者を表示すれば非営利目的に限り自由に利用可能)が良く用いられている。例)以下の論文では文末にCC BYのライセンス(アイコン)が表示されている。 https://doi.org/10.1038/ncomms12565
参考:https://creativecommons.jp/licenses/

 
ゴールドOA (ゴールド・オーエー)  

Gold OA

 
 

著者支払い型のOAの出版モデル。著者投稿論文が受理された後、著者がAPCを出版社に支払うことによって、論文がOAで出版される。利点として、出版と同時に論文への無料アクセスが可能となることや、発見可能性や利用度が向上することが挙げられる。

 
JIF / ジャーナルインパクトファクター  

JIF / Journal Impact Factor

 
 

引用頻度を用いて、ジャーナルの重要度や影響力を測定するための尺度の一つで、通称「インパクトファクター」と言われる。研究者や個々の論文の評価指標かのような誤解を受けやすいが、本来は掲載論文の被引用数の平均値を使って当該ジャーナルと同じ分野内での相対的な影響力をはかるものである。研究分野により引用の慣習等が異なるため、異なる分野間の比較には使えない。クラリベイト社(Clarivate)のデータベース「Journal Citation Reports」から提供されており、対象は同社の学術論文データベース「Web of Science Core Collection」収録誌。学術雑誌評価指標としてはほかにエルゼビア社(Elsevier)が2016年から提供している「CiteScore」(サイトスコア)などがある。
参考:https://guides.lib.kyushu-u.ac.jp/IF_CI

 
シリアルズ・クライシス  

Serials Crisis

 
 

1980年代、欧米の学術雑誌の価格は値上がりを続けていた。その結果、個人購読や大学図書館における購読の減少に繋がり、それがさらなる価格の高騰を招くという状況が発生した。この状況を「シリアルズ・クライシス」という。日本でも1990年代、国内全体で外国雑誌を約4万タイトル購読していたのが、価格の高騰を原因に2万タイトルほどにまで減少し、「日本版シリアルズ・クライシス」と呼ばれる状況になった。

 
セルフ・アーカイビング  

self-archiving

 
 

著者が自分の論文等を自分自身のサーバ、分野別サーバ、あるいは大学・図書館等が運営するサーバに蓄積し、無償で公開すること。

 
粗悪学術誌  

Predatory Journal

 
 

いわゆるハゲタカジャーナル。 APC等による収益を目当てとする、悪質な学術誌を指す。適切な査読や編集を行わず論文の質が担保されない、法外なAPCを請求する、著名研究者の名義を無断利用する、ハゲタカジャーナルではない実在の学術誌を装い(紛らわしいロゴ使用など)論文投稿を勧誘する、といった特徴が指摘されている。実在学術誌をまるごと模倣する「クローンジャーナル」も登場し、日本の大学紀要もその標的となったことがある。また学会参加費を目当てとする「ハゲタカ学会」も存在する。
参考:https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/services/open/gold/pj

 
ダイヤモンドOA  

Diamond OA

 
 

購読者・著者ともに経済的負担なく論文をオープンアクセスとする非営利・非APCのオープンアクセス出版モデル。プラチナOA とも呼ばれる。

 
著者最終稿  

author's final version / Author Manuscript  / Accepted Manuscript

 
 

査読が完了し、出版社から受理される直前に著者が提供した原稿のことで、出版社によるレイアウト調整等の手が加えられていない版。

 
DOI (ディーオーアイ)  

DOI / Digital Object Identifier

 
 

インターネット上の電子的なコンテンツに対して恒久的に与えられる識別子。これにより、URLのリンク切れなどによっておきる検索機能の障害を克服することができる。"https://doi.org/" の後にDOIを付けることで、当該の論文等にアクセスできる。
参考:https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/services/open/pid/doi

 
転換契約  

Transformative Agreements

 
 

電子ジャーナル購読料をAPCへと段階的に振り替えていくことによって、電子ジャーナルの購読契約モデルからオープンアクセス出版モデルへの転換を目的とする契約。 大学等が支払う購読料と、従来は著者が支払ってきたAPCをセットにした「Read&Publishモデル」のほか、APCを支払うことで非OA論文へのアクセスも可能となる「Publish&Readモデル」、購読しているハイブリッド誌のOA率により購読料を削減する「オフセット契約」などがある。

 
ハーベスティング  

harvesting

 
 

ウェブ上で公開された機関リポジトリなどのメタデータを収集すること。OAI-PMHと呼ばれるプロトコルを用いることで網羅的な収集を実現している。日本の機関リポジトリのメタデータ検索サービスであるIRDB(Institutional Repositories DataBase)も、ハーベスティングによって実現されている。 ハーベストとも呼ばれる。

 
ハイブリッド誌  

Hybrid journal

 
 

掲載される個々の論文ごとに、APCを負担してオープンアクセスにするかどうかを著者が選択する方式の雑誌。APCを支払った論文のみがOAとなるため、1つの雑誌にOA論文と有料論文 (サブスクリプション論文) とが混在する。また、年間購読料金とAPCによる出版社収入のダブルディッピング発生が問題視されている。

 
FAIR原則  

FAIR data principles

 
 

研究成果である研究データの公開と共有のための原則で、Findable(検索可能)、Accessible(アクセス可能)、Interoperable(相互運用可能)、Reusable(再利用可能)を略した頭字語からなっている。この原則は、データに対し、検索のために一意で永続的な識別子とメタデータを付与する、アクセスのために誰でも利用できる通信プロトコルを使用する、相互運用のために広く適用可能な記述言語を採用する、再利用には明確なライセンスを附与するなどの具体的な提言からなる。
参考:NBDC-FAIR原則(「THE FAIR DATA PRINCIPLES」和訳)https://biosciencedbc.jp/about-us/report/fair-data-principle/

 
フルOA誌  

Full OA Journal

 
 

すべての収録論文がオープンアクセス出版される学術雑誌。通常は著者がAPCを支払うことで無料となるゴールドOA方式によるため、「ゴールドOA誌」ともいう。

 
プレプリント  

Pre-print

 
 

査読前で出版されていない原稿。

 
ブロンズOA (ブロンズ・オーエー)  

Bronze OA

 
 

購読雑誌掲載論文であるが、出版社のウェブサイト上でライセンスの付与等なく無料公開されている論文。

 
ポストプリント  

Post-print

 
 

査読され、出版社が受理した論文の原稿。著者の最終原稿や改定済み、アクセプトされた出版前の草稿、出版社が編集したもの、査読済み最終原稿の後日における改定や校正版も含まれる。

 
メタデータ  

metadata

 
 

情報やデータを検索するためにそれらに付加された、作成者や日付などのこと。「データに関するデータ」や「情報に関する情報」と呼ばれる。特にインターネット情報源に関する情報についてよく用いられる。

 
Read & Publishモデル  

Read & Publish Model

 
 

転換契約のうち、電子ジャーナルパッケージ購読料と、APCにあたるOA出版料を1つの契約としてまとめて一括で支払うことにより、契約機関の所属研究者が個別にAPCを支払うことなく、論文をOAで出版できるようになる契約モデル。
参考:https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/services/open/gold/apc

 
ResearchGate (リサーチゲート)  

ResearchGate

 
 

科学者・研究者向けのソーシャル・ネットワーク・サービスで、原著論文の共有や質問・回答、協力者の募集などを行うことが出来る。なお、ResearchGateや個人のHPへ論文を掲載する場合は、出版社の公開方針に合致していることが必要である。
参考:https://www.researchgate.net/about

 
リモートアクセス Remote Access   

自宅などの学外から学内ネットワークに接続して電子ジャーナルやデータベースにアクセスすること。
参考:https://guides.lib.kyushu-u.ac.jp/remote-access

 

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