廣瀬文庫467冊をデジタル公開しました

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 中央図書館所蔵の廣瀬文庫467冊を九大コレクションでデジタル化公開しました。
 廣瀬文庫は明治から大正にかけて、福岡市内の出雲大社教福岡分院の境内に設置されていた私立福岡図書館(1902~1917、館主廣瀬玄鋹)の旧蔵書を中心とし、九州・福岡の郷土資料をはじめ、漢籍、朝鮮古典小説、国文学関係等多様な貴重書を含んでいます。九州大学附属図書館本館が竣工・開館した1925年に寄託され、書庫もがら空きだった図書館の基盤となりました(戦後購入)。今年2025年は廣瀬文庫が寄託されて100年になります。
 これまで、『背振山堺図』などの絵図類や平仮名絵入本『太平記』等一部のみデジタル公開していましたが、今回は、昨年度までデジタル化した国史国文関係の和本を中心に公開し、特に福岡図書館設立の中心人物であった国学者・江藤正澄や海妻甘蔵の旧蔵本が多く含まれています。本に残る海妻の献辞からは、教え子をはじめ、いろんな人々に福岡図書館への寄贈を呼び掛けていたことが窺え、福岡市民の知の基盤を作らんとした先賢たちの想いを感じていただければと思います。

資料一覧

九大コレクション > 貴重資料 >廣瀬文庫
※デジタル画像は本文ありをチェック

福岡図書館図書目録』 明治末年
 明治末年の福岡図書館の蔵書目録で、甲号天地2冊・乙号乾坤2冊の2部ある。大正以降に作成された『福岡圖書館和漢書目録』に比べると整っていないが、寄託図書には朱筆により所有者を示す書き込みがあることが特徴。福岡の儒者・宗逍遥の旧蔵書には「宗」、同じく髙橋楽地の旧蔵書には「タ」という朱筆があり、福岡図書館閉館後に所有者に返還された両蔵書は、巡り巡って廣瀬文庫と同じ九大に所蔵されている。

本州編稔略』 江藤正澄旧蔵
 神代から元禄年間までの対馬の歴史を編年体でまとめたもの。鈴木棠三編『対州編年略』(対馬叢書、東京堂出版、1972年)の底本となった東京大学史料編纂所の謄写本は、明治20年8月に久米邦武が江藤正澄より拝借した写本を明治22年に謄写したもので、本書はその際江藤正澄が所蔵していた原本と考えられる。

吉野物語
 建部綾足(1719~1774)が著した長篇読本『本朝水滸伝』の後篇。趣向を水滸伝に借りつつ舞台を日本の奈良朝とし、彼得意の和文調をもってした。『本朝水滸伝』初篇は刊本で出たが、後篇は写本で稀にしか伝わらず、第三篇は遂に出なかった。国文学者・中村幸彦(1911~1998)が九州大学在任中に、附属図書館書庫を漫歩中に本書を見出している。『新日本古典文学大系』79(岩波書店、1992)所収翻刻の底本。
 

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参考文献

筑紫豊「私立福岡図書館館史」『図書館学』6、1958
『第16回九大祭参加国語国文善本展』九州大学文学部国語国文学研究室、1963
中村幸彦「書庫の漫歩」『図書館情報』1(2)、1965
幻の国境線 : 廣瀬文庫『背振山堺図』とその周辺」『九州大学附属図書館研究開発室年報』2013/2014、2014

 当デジタル化は、国文学研究資料館「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」及び「データ駆動による課題解決型人文学の創成プロジェクト」等により実施しました。

【担当窓口】

九州大学附属図書館 eリソース課
〒819-0395 福岡市西区元岡744  イーストゾーン 中央図書館
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