- HOME
- 探す・調べる
- 図書館を使う
- 学習・教育
- 研究支援
- 文献・情報の入手
- 論文の執筆・投稿
- 研究成果の公開
- オープンアクセス
- 九州大学学術情報リポジトリ(QIR)
- 研究データの管理・公開
- 図書館について
お知らせ
逍遥文庫91冊をデジタル公開しました
Web
中央図書館所蔵の逍遥文庫91冊を九大コレクションでデジタル化公開しました。
逍遥文庫は、幕末明治期の福岡の漢学者宗逍遥(盛年、1824~1904)の旧蔵書(約2,800冊)で、経史子集を網羅し、九州大学を代表する漢籍のコレクションの一つです。
今年2024年は宗逍遥生誕二百年ですが、廃藩後に漢学が衰退していく中でも私塾などで教え続けた逍遥は、福岡藩最後の儒者というべき存在でした。ジャーナリスト・政治家の中野正剛もその教えを受けた一人です。
これまで、『李卓吾先生批評三国志』等一部のみデジタル公開しておりましたが、今回は、国文学研究資料館「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」のプロジェクト等により、これまでデジタル化した和本91冊を公開しました。
明治初期に福岡藩及び藩校修猷館の蔵書が売却されるなど、大量の漢籍・和本が散逸しつつあった明治期福岡において、逍遥は衣食の料を縮めて書物を蒐集しました。逍遥文庫には、修猷館(朱子学派)・甘棠館(徂徠学派)という二つの藩校双方の学統に関する文献が含まれており、福岡藩における学問の特徴を今に伝えています。
デジタル化資料一覧
『七経孟子考文補遺』 享保16(1731)年刊 磯淳旧蔵
徂徠門下の山井鼎(号は崑崙、1690~1728)が『周易』『尚書』『毛詩』『左伝』『礼記』『論語』『孝経』『孟子』の八書を対象に、諸本を比較校勘したもので、山井没後に出版されて中国に渡り、そのレベルの高さに清朝考証学者を驚かせ、『四庫全書』にも収録された。逍遥文庫には、山井旧蔵の『東莱呂先生左氏博議』も所蔵されている。旧蔵者の磯淳(1827~1876)は秋月党の謀主の一人で善本蒐集家として知られるが、逍遥文庫には磯淳旧蔵書が多数含まれている。
宗逍遥自筆『水滸伝抄解』
江戸時代は、中国の白話小説を教材にした唐話(当時の現代中国語)学習が行われ、逍遥文庫には、唐話学に関する文献が多数収蔵されている。本書は『水滸伝』の語訳で、筆跡より宗逍遥自筆本と推定される。中村幸彦は、本書の語釈の詳しさから著者を「可成りの『水滸』狂」と推察している。
参考文献
『中村幸彦著述集』第7巻(中央公論社、1984)
古勝隆一「人文研の “たからもの”」(『人文』47、2000)
久保尾俊郎「磯淳の旧蔵書」(『ふみくら』79、2010)
【担当窓口】
九州大学附属図書館 eリソース課
〒819-0395 福岡市西区元岡744 イーストゾーン 中央図書館
Tel. 092-802-2477
Fax. 092-802-2465
E-mail:toesensyoku@jimu.kyushu-u.ac.jp
Submitted:
| Updated:
| Total Views: 144