<テクニカルレポート>
固定電話・携帯電話の普及が国際経済の発展に及ぼす影響の実証分析 : ITU長期時系列データを用いた観察

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概要 本稿では、篠﨑・田原(2012)で整備した「ICT及び経済・社会に関する世界約200カ国・地域のグローバル・データ・セット」を基に、固定電話と携帯電話の普及と経済発展の関係性について国際比較分析を行った。具体的には、経済発展の代理変数として1人あたりGDPを取り上げ、「携帯電話の普及率」や「固定電話の普及率」との相関関係を世界約200ヵ国・地域の1997年から2010年までの長期データをもとにパネ...ル・データ分析を行った。本稿の分析結果は、以下の点に要約される。第一に、携帯電話普及率を説明変数とした「対数-対数モデル」のパネル・データ分析では、「先進国」のグループで経済成長との相関が強くなっている。ただし、その効果は「2003-2008年」がピークであり、近年は、減少傾向にある。第二に、固定電話普及率を説明変数としたパネル・データ分析においては、複数の計量モデルにおいて、固定電話の影響は漸減の傾向が確認された。特に、「先進国」や「BRICS」では、係数の値はマイナスになるケースもあり、固定電話の普及と経済成長との間に相関が見られなくなっている。情報通信技術(ICT)の普及は、2000年代半ば以降、様々な地域で急速に進展し、世界経済全体のデジタル・ディバイドは縮小傾向にある。とはいえ、「先進国」や「BRICS」などの地域では、携帯電話の普及と成長との間に相関が読み取れるものの、「アフリカ」や「その他途上国」の地域では、いまだその傾向は小さい。今後、教育環境の改善や社会インフラの整備が進められることで、さらに経済発展への影響が強まることが期待される。また、「先進国」も、近年は携帯電話の普及と経済成長との相関が低くなっており、その原因解明に向けた検証が期待される。続きを見る

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登録日 2013.05.28
更新日 2020.10.26