音無文庫476タイトルをデジタル公開しました

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 中央図書館所蔵の音無文庫476タイトルを九大コレクションでデジタル公開しました。
 音無文庫は、旧福岡藩士で、明治・大正期にかけて、東京大学理学部教授、東京天文台長などを歴任した天文学者寺尾壽博士(1855~1923)が、引退後に伊豆伊東の音無川のほとりの閑居で蒐集していた国語学・国文学に関係する和本を中心とする旧蔵書(約12,000冊)です。今回、国文学研究資料館「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」及び「データ駆動による課題解決型人文学の創成プロジェクト」等により、今年度までデジタル化した音無文庫本を全て公開しました。
 デジタル化の過程で、音無文庫の書物には寺尾による書き込みが散見されることが分かってきましたが、今回の公開にあたり、そうした書入本を抽出できるようにしました。書入れからは、晩年の寺尾が異本との校合など本格的に国語学・国文学の研究に邁進していたことが窺えます。

参考:音無文庫74タイトルをデジタル公開しました

資料一覧

九大コレクション > 貴重資料 > 音無文庫

寺尾壽書入本一覧

九大コレクション > 貴重資料 > 音無文庫 > 寺尾壽書入

百人一首和歌』 寺尾壽書入本
 百人一首の注釈書。冒頭に大正8年(1919)に書かれた寺尾による藍筆の識語がある。寺尾は生前「拙者の藍筆の書き入れで、或は値が高く売れるかも知れぬ」(『父乃書斎』)と子息の新(1887~1969、動物学者)に語っていたというが、音無文庫本には寺尾による藍筆の書き入れが数多く認められる。

浅野内匠頭様御家来拾七人御預之節覚書』 松平忠明旧蔵 寺尾壽校合本
 細川藩邸で赤穂義士の接待役をつとめた堀内伝右衛門の覚書。寺尾は国書刊行会刊『赤穂義人纂書』と比較校合している。音無文庫には忠臣蔵関係書が多く収蔵されており、1934年福岡県立図書館開催の赤穂義士関係図書、文献、絵図展覧会では音無文庫から36点出品されている。

参考文献

田村隆「音無文庫」『九州大学百年の宝物』(丸善プラネット、2011)
寺尾新「寺尾壽」『父乃書齋』(三省堂、1943)
「福岡県立図書館主催赤穂義士関係図書、文献、画図展覧会目録」(『福岡県立図書館月報』148、1934)

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