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お知らせ
旧国史学講座蒐集古文書約380点をデジタル公開しました
Web
文学部旧国史学講座(現日本史学研究室)が、法文学部時代より蒐集してきた貴重な古文書群の多くは、キャンパス移転以降中央図書館に収蔵されています。今回、2022~2023年度に、後述の事業によりデジタル化された約380点を九大コレクションで公開しました。
デジタル化資料一覧
史料群名 | 概要 | 数量 |
来島文書 | 中世に肥前国的山大島(現平戸市)の領主であった大島氏(江戸時代に来島に改姓)の家文書。全点デジタル化。 | 3巻41通 |
草野文書 | 筑後国御家人草野氏の家文書。全点デジタル化。 | 4巻61通 |
乙咩文書 | 宇佐郡荒木村(現宇佐市)乙咩家旧蔵文書で、宇佐宮祀官の家に伝来した中世文書(樋田文書・金光文書)を中心にデジタル化。 | 102点 |
九州古文書集成 | 反町弘文荘より購入した九州地域の古文書群全40点中、小串文書(日向国人小串家の家文書)4通・蒲池文書(筑後国人蒲池家の家文書)3通、小西行長宛宗義智書状1通をデジタル化。 | 8通 |
福岡藩鎌田家文書 | 福岡藩大組鎌田家旧蔵文書。国史蒐集分41部59冊中、14部30冊デジタル化。記録資料館九州文化史資料部門所蔵分の目録(同部門作成)も公開。所蔵コレクション参照。 | 14部30冊 |
増田廉吉資料 | 第二代長崎県立図書館長、郷土史家の増田廉吉旧蔵資料の国史蒐集分48部72冊中、3部3冊デジタル化。所蔵コレクション参照。 | 3部3冊 |
その他国史蒐集古文書 | 国史学図書分類2C(雑史料)に分類される古文書約500部中、上記史料群以外106部をデジタル化。 | 106部134冊2通 |
北条定宗書下 永仁2年(1294)3月6日 来島文書
文永・弘安の役後、元の再来を恐れ連絡方法として海上の島々の間での烽火の演習を命じたことを示す。
小早川隆景·毛利吉成·小早川秀包·黒田孝高連署書状 天正14年(1586)10月2日 草野文書
秀吉の島津征伐開始時、筑後国人草野家清(鎮永)が、豊前方面での中国軍に協力し、筑前・筑後境に兵を出したことへの恩賞として草野旧領の地を安堵されたことを示す。その後、家清は秀吉に従わずに誅殺され、中世を通じて筑後国に勢力を誇った国人領主草野家は滅亡した。
海陸世話日記
加賀国吉崎(現福井県)の船問屋長屋与四郎が寛文8年(1668)の6月から12月にかけて経験した、甚だ波潤に富んだ海事裁判の顛末を認めた書物である。南部地方の八戸付近への漂着に始まり、陸路江戸へ向かい、二箇月余にわたる裁判に一応の決着をみて東海道を経て帰国するまでが記されている。
今回のデジタル化作業は、日本学術振興会大学教育再生戦略推進費「デジタルと掛けるダブルメジャー大学院教育構築事業~Xプログラム~」の採択事業である「ウェル・ビーイングの実現に貢献する高度人文情報人材養成プログラム:人文学×データサイエンスによる「人文情報学」大学院の設置」の一環として、大学院人文科学研究院と附属図書館との協働により行われました。
参考文献
佐伯弘次『『室町遺文』の基礎的研究』(科研費報告書、2022)
同「文学部日本史学研究室の中世文書」(貴重文物講習会第22回、2009年7月24日)
川添昭二「九州大学所蔵の中世文書」(『古文書研究』4、1970、『中世九州の政治と文化』所収)
【担当窓口】
九州大学附属図書館 eリソース課
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