九州大学デジタル資料整備事業へのご寄附のお礼

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 令和3年度に開始いたしました九州大学基金使途特定寄附 九州大学デジタル資料整備事業は、おかげさまで多くの皆様からご支援を賜っております。このたび、いただいた寄附金により以下の事業を実施いたしました。ご報告とともに心よりお礼を申し上げます。

令和6年度実施事業

①第61回貴重文物展示「続・雅俗繚乱 ―江戸の秘本・珍本・自筆本―」を開催

 九州大学附属図書館では、所蔵する貴重資料を広く公開するため、毎年度、貴重文物展示を開催しています。令和6年度は本学を代表する貴重書コレクション雅俗文庫をテーマにした、第61回貴重文物展示「続・雅俗繚乱 ―江戸の秘本・珍本・自筆本―」を開催しました。
 展示会の内容は、電子展示として再構築し常時公開しています。鮮やかな多色刷り、希少な自筆資料、ユニークな春本など、雅と俗が織り成す江戸文化の魅力を電子展示でご堪能ください。会期中に開催した講演会の動画も九州大学附属図書館の公式YouTubeチャンネルで公開しています。ぜひご覧ください。

バナーをクリックすると電子展示のページに遷移します。

江戸文化の路地裏へ―中野三敏が愛した和本たち―(講演動画 76分)

②対馬関係の史料2点を修復・公開

 虫損により閲覧できなくなっていた対馬関係の史料2点の修復と画像公開を行いました。

[異国船取締]被仰出写 嘉永元年(1848) 国史蒐集古文書
 嘉永元年(1848)に対馬藩が異国船に対する警戒態勢を整えたことを示す史料。異国船発見の警報が「合図之大筒」によって発せられた場合、藩士たちが各々の役職に応じてどのような初期対応を行うことになっていたのかを知ることができる。

 

口上覚 1800~1803年頃 国史蒐集古文書
 寛政2年(1800)~享和3年(1803)ごろ、対馬藩の役人4名が連名で作成した政治意見書。宛先の幾度格左衛門は、寛政2年に現任の年寄(家老)を弾劾し、自ら年寄に就任することになった人物で、役人たちは、この弾劾事件を指して「御改革」と称している。当時の対馬藩は財政改革に迫られていて、とりわけ朝鮮通信使の応接費用をめぐる意見の対立が深刻化していた。

 ※以上の史料説明は、人文科学研究院荒木和憲准教授にご教示いただきました。

 修復については、資料を解体してドライクリーニングにて虫糞等を除去し、手漉き楮紙を正麩糊にて裏打ちしました。修復により、これまで解読できなかった文字も読めるようになりました。

 

 令和7年度も、貴重資料の公開や修復を進めてまいります。
 今後とも、引き続き温かいご支援を賜りますよう何卒よろしくお願いいたします。

 九州大学デジタル資料整備事業の詳細についてはこちらのページをご覧ください。
 ご寄附の方法、謝意や税制上の優遇措置についてご説明しています。

【お問い合わせ先】
九州大学附属図書館 図書館企画課企画係
E-mail: tokkikaku[a]jimu.kyushu-u.ac.jp ※[a]は@に書き換えてください。
TEL:092-802-2471

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