第8章 ヒポクラテス

本でめぐる、医学の世界


ヒポクラテス (Hippocrates / 紀元前460年頃 - 紀元前370年頃 )

理性と観察に基づく医療の原点

ヒポクラテスは古代ギリシャの医師で、医学を神話や迷信から切り離し、病気を自然現象として捉える科学的な視点を築きました。

彼の教えは、合理的な臨床観察と記録に基づき、診断・治療の体系化を目指しています。特に「四体液説」では、血液・粘液・黄胆汁・黒胆汁の均衡が健康を保ち、不均衡が病気を引き起こすとされました。この理論は中世ヨーロッパ医学の基礎となり、後世に大きな影響を与えました。

また『ヒポクラテスの誓い』は、誠実さや無害原則(primum non nocere)を重視する医師の倫理規範として広く知られ、現代の医師宣誓にも影響を与えています。



ヒポクラテスの木と医学図書館

医学図書館前にヒポクラテスの木があります。

この木は1973年に九州大学整形外科の教授・天児民和 (あまこ たみかず)教授(1905-1995)が学問と医療の発展を祈念し、医学分館の前に植樹したものです。

  • ヒポクラテスの木"

    ヒポクラテスの木

  • 定植の記念碑"

    定植の記念碑




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