対馬関係の史料2点を修復・公開しました

Web 全館

 このたび、虫損により閲覧できなくなっていた対馬関係の史料2点につき、九州大学基金使途特定寄附 九州大学デジタル資料整備事業の寄附金により、修復いたしました。画像も公開いたしましたので、ご報告とともに心よりお礼を申し上げます。

[異国船取締]被仰出写 嘉永元年(1848) 国史蒐集古文書
 嘉永元年(1848)に対馬藩が異国船に対する警戒態勢を整えたことを示す史料。異国船発見の警報が「合図之大筒」によって発せられた場合、藩士たちが各々の役職に応じてどのような初期対応を行うことになっていたのかを知ることができる。

口上覚 1800~1803年頃 国史蒐集古文書
 寛政2年(1800)~享和3年(1803)ごろ、対馬藩の役人4名が連名で作成した政治意見書。宛先の幾度格左衛門は、寛政2年に現任の年寄(家老)を弾劾し、自ら年寄に就任することになった人物で、役人たちは、この弾劾事件を指して「御改革」と称している。当時の対馬藩は財政改革に迫られていて、とりわけ朝鮮通信使の応接費用をめぐる意見の対立が深刻化していた。

※以上の史料説明は人文科学研究院荒木和憲准教授にご教示いただきました。

修復について

 修復については、資料を解体してドライクリーニングにて虫糞等を除去し、手漉き楮紙を正麩糊にて裏打ちしました。修復により、これまで解読できなかった文字も読めるようになりました。
修復前

修復後

 他にも、修復が必要な貴重資料が多数ありますので、今後とも、引き続き温かいご支援を賜りますよう何卒よろしくお願いいたします。

 九州大学デジタル資料整備事業の詳細についてはこちらのページをご覧ください。
 ご寄附の方法、謝意や税制上の優遇措置についてご説明しています。

担当窓口

・九州大学デジタル資料整備事業について
九州大学附属図書館図書館企画課企画係
Tel. 092-802-2471
E-mail:tokkikaku[a]jimu.kyushu-u.ac.jp ※[a]は@に書き換えて下さい。

・デジタル化資料について
九州大学附属図書館 eリソース課
Tel. 092-802-2477
E-mail:toesensyoku[a]jimu.kyushu-u.ac.jp ※[a]は@に書き換えて下さい。

Site search