特別展示「「学徒出陣」から80年目を迎えて」を開催しました

展示 中央

 昭和18(1943)年、太平洋戦争の戦局悪化に伴い、それまで認められていた学生・生徒の徴兵猶予措置が撤廃され、文科系を中心とした一斉徴集、いわゆる「学徒出陣」が行われることになります。九州大学(当時は九州帝國大學)では、法文学部学生644名、農学部農学科学生46名ら、合計691名にのぼる学生が、同年12月1日に陸軍に入営、10日に海軍に入団します。このうち、60名を超える学生が戦死者となりました。

 学徒出陣から80年目の節目に、この記憶を埋もれさせることなく、未来に引き継いでいくため、九州大学附属図書館では、令和5年12月2日(土)から25日(月)まで、九州大学大学文書館および九州大学文学部同窓会との共催で、特別展示「「学徒出陣」から80年目を迎えて」を開催しました。

 展示会場となった中央図書館3階エントランスには、大学文書館が所蔵する学徒出陣関連写真のパネルを中心に、出陣学徒の日記、戦後の回顧録、鉄兜や戦時下の物品など、およそ100点の資料が並びました。多くの学生、教職員、卒業生並びに一般市民が当時の状況を具体的に示す資料にじっくりと見入っていました。学業の志半ばでの出陣。その困難な状況における往時の学生たちの姿は、大学で学ぶことの意義や平和とは何かを再考する機会を与えてくれました。

 本展示会に出品した、出陣学徒の軌跡に迫る展示資料のリストは、以下のリンクからご確認いただけます。また、展示会では、学徒出陣によってやむなく休刊となる直前の『九州帝國大學新聞』第269号(昭和18年10月20日)もパネル展示しました。同号は附属図書館ウェブサイトで電子化・公開されています。荒川文六総長の送別の辞「学生諸子に告ぐ」など、大学を離れる学徒へ向けた言葉で埋め尽くされた紙面をぜひご覧ください。展示会場で配布した翻刻版も以下のリンクからどうぞご参照ください。

 特別展示「「学徒出陣」から80年目を迎えて」は終了しましたが、展示を通じて学んだこと、感じたことを次の世代へと繋げられることを願いつつ、附属図書館では今後も様々なイベントを開催して参ります。


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九州大学附属図書館利用者サービス課サービス企画係
Mail: touservice@jimu.kyushu-u.ac.jp  TEL: 092-802-2481

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