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大森治豊文庫
目録
受入、現状の概要
受入日:1922(大正11)年10月13日
寄贈者:大森丙氏(治豊の養子で逓信省工務局機械課長)
和書29部208冊 備品番号:1119-1147
洋書126部405冊 備品番号:852-997
計155部 613冊
旧蔵者蔵書印:「醫學士大森治豐之印」「大森藏書」「Dr.H.Omori/Tokio (Japan)」
文庫印:なし。寄贈印のみ。
福岡医学校校長、京都帝国大学福岡医科大学初代学長兼附属医院長を歴任し、九州大学の基礎を築いた学祖の一人である大森治豊の
医学書を中心とする旧蔵書。附属図書館が設置(1922年5月29日、初代館長は小川政修)された直後に受入れられた。
当時の附属図書館は、医学部構内の図書閲覧室において事務が行われており、1925(大正14)年に箱崎に附属図書館本館が竣工し、
事務もそこに移ると、図書閲覧室にあった蔵書も一部本館に移転された。そのため、大森の旧蔵書も中央図書館と医学図書館に分散していたが、2016年6月に中央図書館所蔵分を医学図書館に移転した。
現在全体の三分の一の所在が確認されているが、残りの三分の二は調査中である。
その他の大森旧蔵本
医学図書館に所蔵される三宅速(1867-1945)の旧蔵書(受入日等は不明)に、大森治豊の蔵書印が押印された図書が見出され、
大森の蔵書の一部が三宅に引き継がれた可能性がある。また、附属図書館が昭和7年に市内古書店の明文堂より購入した古書に、
大森の蔵書印が捺された『福岡縣地誌略』(現在中央図書館所蔵)が含まれていた。
大森治豊(1852-1912)
外科医。出羽国上山藩主松平定宝の侍医大森快春の長男。藩校明新館に学び、東京大学医学部の第1回生として卒業後、
福岡医学校校長、京都帝国大学福岡医科大学初代学長兼附属医院長を歴任し、九州大学の基礎を築いた。1885年、
全身麻酔と最新技術の防腐法を駆使した、日本で最初の近代的帝王切開手術に成功し、日本の腹部外科の開拓者として知られる。
蔵書は大正11年に九州帝国大学に寄贈され、文書類は平成15年に九州大学大学文書館に寄贈された。
参考文献
岩熊哲「杏仁医館随筆(その十一、十四、十七)、九大医史の試み(上、中、下)」(『九大医報』10-4、11-1、11-4、1936~1937)
宇留野勝彌編『医傑大森先生の生涯』、1961
杉江勇「九州開眼秘史(南蛮医術)」(『夕刊フクニチ新聞』1964年4月21日~6月23日)
折田悦郎「大森治豊と大森関係史料の寄贈について」(『九大広報』30、2003)
『九州大学百年の宝物』、丸善プラネット、2011
土居善胤編、佐藤裕・光富彰対談「九州大学医学のきらめく博士たち」(博多に強くなろうシリーズ79、西日本シティ銀行、2011)
『九州大学大学文書館ニュース』39、2015
配架場所
医学図書館貴重書庫 / 3階保存・文庫 / 雑誌書架(混配)
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