展示「雅俗繚乱―中野三敏 江戸学コレクションの世界―」開催報告

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 附属図書館では、5月11日から18日まで第56回貴重文物展示「雅俗繚乱―中野三敏江戸学コレクションの世界―」を中央図書館で開催しました。 この展示会は九州大学開学記念行事の一環として開催したもので、中野三敏本学名誉教授の旧蔵コレクション「雅俗文庫」を中心に、73点を展示しました。 「雅俗文庫」の「雅」とは伝統文化で、和歌・漢詩・擬古文の類、「俗」とは新興文化で、俳諧・川柳・小説の類を指し、「雅俗文庫」はこの双方の融和こそが 江戸文化の神髄という氏の文化観が反映された、約6,000点にのぼるコレクションです。8日間の会期中には、学内外から711名の方が訪れ、来場者は展 示資料のくずし字を判読したり、多彩な挿絵を楽しんだりと熱心にご覧になっていました。

 また5月16日には、関連講演会「江戸文 化辻談義― 中野コレクションから見えるもの」を開催し、中野三敏氏、飯倉洋一氏(大阪大学文学研究科)、岩坪充雄氏(文京学院大学)による講演とトークセッションを 行ないました。中野氏からは、「私の江戸学」と題して、江戸文化や和本蒐集についてこれまでの研究や経験を元にした広範なお話があり、中でも「和本リテラ シー」の重要性について熱心に語られました。飯倉氏と岩坪氏からは、それぞれの研究分野である「談義本」と「法帖」についてお話がありました。トークセッ ションでは、本学人文科学研究院の川平敏文准教授が進行役となり、それぞれの先生方がその研究分野に進んだきっかけや和本蒐集の悩みなど、普段は聞くこと のできないお話が披露されました。講演会に訪れた人は200名を超え、満員の会場では先生方のユーモアある語りに時には笑いが起こるなど、和やかな雰囲気 の会となりました。

 

展示会の図録と講演会の動画を公開しております。ぜひ、ご覧ください。
図録「雅俗繚乱-中野三敏 江戸学コレクションの世界-」
講演会「江戸文化辻談義」動画 (撮影・編集 附属図書館付設教材開発センター)

 

展示会の様子

中野先生によるご講演の様子

トークセッションの様子

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