炭 鉱 札

 炭鉱札は、炭鉱の経営者が発行した私札で、斤券(キンケン)、炭券(タンケン)、山札(ヤマフダ)、採炭切符などとも呼ばれました。
 炭鉱札は毎日の賃金支払いに通貨(現金)の代わりに、多くは1斤券が1里、100斤券が10銭、1,000斤券が1円の割合で支払われ、毎月きまった日に通貨と交換されました。しかし実際にはなかなか交換してもらえず、炭鉱内の売勘場(売店)や炭鉱指定店の中だけで通用しました。そのため急に現金を必要とする場合、納屋頭や炭鉱指定店、または高利貸から両替してもらいましたが、2割から5割という高い割引料をとられることもありました。
 炭鉱札がいつ頃から使われ始めたかは明らかではありません。現在見ることができるもっとも古いものは明治18年(1885)のものです。この頃から大正8年(1919)頃までもっとも盛んに発行されました。大正8年、筑豊石炭鉱業組合は福岡鉱務署の通牒を受け入れ、賃金の支払いはすべて通貨とすることとしました。この時、筑豊地方で炭鉱札のみで賃金を支払っていた炭鉱は、蔵内鉱業など10坑、一部現金一部炭鉱札で支払っていた炭鉱は、貝島鉱業など56坑、現金のみの炭鉱は三井、三菱、古河、住友の炭鉱など45坑でした。炭鉱札が中小炭鉱を中心にいかに大きな役割を果していたかがわかります。
 炭鉱札はそれ以降も購買券や商品券などに形をかえて、昭和30年(1955)頃までみることができました。
 今回展示するのは、九州大学石炭研究センタ−等が所蔵している炭鉱札の内、福岡県内に所在した炭坑で明治期に発行されたものです。


炭鉱札仮想電子展示

それぞれの表示に対する説明は以下のとおりである。

  1. 炭鉱札発行所名(経営者もしくは鉱業管理者、発行者)
  2. 炭鉱所在地
  3. 発行年
  4. 寸法(縦cm×横cm)
  5. 所蔵
  6. 注記

なお、炭鉱については、経営別ではなく、炭鉱札に記載された炭鉱名を基準とし、 地域別に紹介している。

福岡県遠賀郡

  1. 新手炭砿
  2. 大隈炭砿
  3. 埴生炭坑

福岡県鞍手郡

  1. 旭炭坑事務所
  2. 大獄鉱業所
  3. 大谷砿山事務所
  4. 神田炭坑

福岡県嘉穂郡

  1. 広岡潤野炭坑事務所
  2. 大谷炭坑
  3. 忠隈炭坑事務所

福岡県田川郡

  1. 小松ケ浦炭坑
  2. 峰地炭砿
  3. 三井大薮旧砿


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