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平成15年度 開学記念中央図書館展示会
昭和28年大水害写真・資料展

展示リストおよび解説

「最近の都市災害を考える」
−豪雨災害を中心として−

西部地区自然災害資料センター次長  

橋  本  晴  行  助教授

1.雲仙普賢岳の噴火活動に伴う土石流災害(1991年〜1993年)

1990年11月198年ぶりに雲仙普賢岳が噴火活動を開始したが、翌年5月より普賢岳斜面において土石流が発生し、水無川などを流下するようになった。その結果、下流の島原市や深江町の住宅街において土石流による流出・氾濫災害が発生した。出展はその調査結果である。

2.鹿児島豪雨災害時の甲突川洪水氾濫(1993年)

1993年の夏は全国的に雨が多く冷夏であった。中でも鹿児島県においては、6月から9月にかけて長雨と豪雨に加えて台風が相次いで来襲し、全県下で土砂災害、水害により121名もの人的被害が発生した。特に8月6日には、2級河川甲突川の上流に当たる鹿児島市北部、郡山町方面で集中豪雨が発生したため、下流の鹿児島市内で洪水氾濫が発生した。その結果、市内の繁華街を中心に広範囲に浸水被害が発生した。出展はその調査結果である。

3.福岡水害(1999年)

1999年6月九州北部に停滞し、活動の活発化した梅雨前線は、6月28日夜から29日にかけて九州北部に豪雨をもたらし、各地で土砂崩れや浸水などの被害を発生させた。特に福岡市では29日午前に6月の1時間雨量としては観測史上最大の降雨を記録した。このため、都市機能の集中した博多駅周辺において、2級河川御笠川およびこれに合流する山王放水路が氾濫し、ビルの地下、地下街、地下鉄駅構内などに多量の氾濫水が進入し、都市機能を麻痺させた。出展はその調査結果である。