Kyushu University Medical Library: Collection of Old Medical Books
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ウィリアム・ハーヴェイ
William Harvey (1578-1657)


  • Pietro da Cortona Berrettini: Tabulae anatomicae. Romae: Typographia Antonii de Rubeis, 1741.
    医学分館貴重図書コレクション: QS/B 533/1741/貴重

  • イギリス人医師ウィリアム・ハーヴェイが人体の血液循環説を発見したことも、ガレノス医学を克服する上で大きな役割を果たした。ガレノス医学では肝臓で発生した血液は各部まで移動するが、そこで消費されるため、循環することはない。ハーヴェイは、心臓によって送り出される大量の血液が肝臓内で常に作られ得るものではないと見抜いていた。つまり、血液は循環しており、一方向に流れているはずである。実験により彼はこの命題を立証した。大静脈を結紮すれば、心臓には血液がなくなる。大動脈を結紮すれば、血液は心臓に停滞する。これによってガレノス説の中核が覆ったというだけではない。純粋に自然科学的な方法が医学においても初めて成功を収めたのである。

    ウィリアム・ハーヴェイの実験を示す挿し絵

    【参考資料】(ハーヴェイ『動物における血液と心臓の運動について』ロンドン、1628年。William Harvey: Exercitatio anatomica de motu cordis et sanguinis in animalibus. Frankfurt, 1628. After: Hieronymus Fabricius ab Aquapendente: De venarum ostiolis. Padua 1603.)
    harvey: fig1-2



    ベレティーニ『解剖学の図』ローマ、1741年。Pietro da Cortona Berrettini: Tabulae anatomicae. Romae: Typographia Antonii de Rubeis, 1741. Tab. 27
    harvey-berettini

    
    
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