Kyushu University Medical Library: Collection of Old Medical Books
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藤林普山
Fujibayashi Fuzan (1781‐1836)


  • クルムス著、藤林普山訳「解屍篇」<ニツプヘン> [書写地不明] 、[書写者不明]、 [書写年不明]、 3冊 ; 24cm。
    和装本, 写本(手稿), 帙入り ; 「山吉文庫」「巣守文庫」の印あり ; 朱書きあり 和漢古医書 /カ-53

  • 底本はドイツ人クルムスの『解剖学表』(J. A. Kulmus: Anatomische Tabellen)の蘭語版(G. Dicten: Ontleedkundige Tafelen)。杉田玄白等による『解体新書』(1774年刊)とは別にもう一つの興味深い試みである。

    訳者藤林普山(フジバヤシフザン、1781-1836)は、京都蘭学の祖稲村三伯の門人で、『江戸ハルマ』の縮約版『訳鍵』(文化7年刊)を出版したことで知られている。「解屍篇」および「解屍篇原註」は、普山の塾で教材として用いられたようだ。

    1821から1822年にわたり普山に学んだ越後加茂の蘭医森田千庵(1798-1857)は「Tabula Anatomia door J. A. Kurumus. MDCCXXXIII」(新潟大学医学部図書館蔵)なる蘭文写本を所持しているので、普山は原文についても講じたと思われる。


    参考文献:長谷川一夫「藤林普山訳『解屍篇』について―森田千庵署名(印)入り写本より―」、『日本医史学雑誌』第37巻2号、217〜219頁参照。

    
    
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